税理士小林暢浩

こんにちは!税理士小林ノブヒロ事務所 代表の小林暢浩です。

役員賞与を経費にして法人税を抑えつつ、社会保険料も大幅に削減できる「事前確定届出給与」をご存知でしょうか。
本記事では、大きな節税効果を生むメカニズムから、絶対守るべき厳格なルールの詳細までを徹底解説します。
手取り額を最大化する財務戦略として、導入を検討する際の参考としてぜひご一読ください。

事前確定届出給与の概要

役員に対して、支給時期・支給金額をあらかじめ税務署に届け出て、その届出通りに支給する給与のことです。

法人税法第34条第1項第2号に規定されています。

対象者は、法人の役員(取締役・監査役・執行役など)で、使用人兼務役員の「使用人部分」は対象外とされています。

1.通常の役員賞与との違い

通常の役員賞与事前確定届出給与
損金算入不可
事前届出不要必要
金額の柔軟性自由届出通りに固定
支給日のズレ自由厳禁

2.届出のタイミングと記載内容

◯届出のタイミング

次のいずれか早い日までに税務署へ届出が必要です。
・株主総会等の決議日から1ヶ月を経過する日
・事業年度開始の日から4ヶ月を経過する日
※例:3月決算法人の場合 → 原則として 7月末までに届出

◯記載内容

・支給を受ける役員の氏名
・支給金額
・支給日

3.損金算入の条件

届出通りに支給することが絶対条件です。

✅ 届出金額・届出日通りに支給  →  全額損金算入OK

❌ 金額が1円でも違う          →  全額損金算入NG

❌ 支給日が1日でもズレる      →  全額損金算入NG

❌ 支給しなかった             →  損金算入NG

4.他の役員給与との関係

法人税法上、損金算入できる役員給与は以下の3種類です。

①定期同額給与:毎月同額を支給する通常の役員報酬

②事前確定届出給与:本制度(届出した賞与)

③業績連動給与:利益指標に連動(上場企業向け)

※事前確定届出給与は、①の定期同額給与と併用するのが一般的です。

5.注意すべきケース

・資金繰りが悪化して支給できなくなるリスク

・業績が想定外に悪化した場合でも届出通り支給しないと損金不算入

・届出後に役員が辞任した場合の取り扱い

6.まとめ

事前確定届出給与は、「届出→届出通り支給」という厳格なルールを守ることで役員賞与を損金にできる制度です。

計画的な資金管理と税務申告が求められるため、導入時は我々税理士と連携して進めることが重要と考えます。

事前確定届出給与が節税になるケース:法人税の節税

通常、役員に対して支払うボーナス(役員賞与)は、会社の経費(損金)として計上することが原則として認められていません。経費にできないということは、その分の利益に対して法人税がかかってしまうということです。

しかし「事前に税務署へ支給日と支給金額を届け出ること(事前確定届出給与)」で、例外的にこの役員賞与を全額経費(損金)に算入できるようになります。

社会保険料の削減(こちらがメインの目的になることも多い)

実は、多くの経営者が事前確定届出給与を利用する最大の理由は、税金以上に社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の削減にあります。

社会保険料には、月々の給与に対する上限と、賞与(ボーナス)に対する上限がそれぞれ設定されています。

この「上限(頭打ち)」の仕組みを利用します。

・厚生年金保険料の賞与上限: 1回の支給につき150万円

・健康保険料の賞与上限: 年間の累計で573万円

【削減のメカニズム】

例えば、年収1,200万円の役員の場合で比較してみます。

・パターンA(毎月100万円の給与のみ):

毎月の給与に高い社会保険料が12ヶ月間かかり続けます。

・パターンB(毎月10万円の給与 + 事前確定で1,080万円の賞与):

毎月の社会保険料は最低限の金額に抑えられます。そして、1,080万円の賞与に対しては、上記の「上限」が適用されるため、上限を超えた部分(厚生年金なら150万円、健保なら573万円を超えた部分)には社会保険料が一切かかりません。

社会保険料は会社と個人で半分ずつ負担(労使折半)しているため、会社と役員個人の手取り双方に非常に大きなプラスの効果をもたらします。

当事務所でのサポート事例

税理士として、記事の内容を踏まえた実務的かつ具体的なサポート・提案を3つ挙げさせていただきます。

1.「社会保険料・法人税の削減効果」シミュレーションのご提示

事前確定届出給与を活用し、会社と役員個人の手取りを最大化するためのシミュレーションを行います。

・社会保険料の賞与上限(厚生年金は1回の支給につき150万円、健康保険は年間累計573万円)の仕組みを利用したシミュレーションをご提示します。月々の給与を抑えて賞与の割合を増やすことで、労使双方の社会保険料負担がどれだけ削減できるかを数字で可視化します。

・事前に税務署へ届出を行うことで、通常は経費にできない役員賞与を全額経費(損金)に算入した場合の、具体的な法人税の節税額を算出します。

2. 損金不算入リスクを防ぐ「厳格な届出・スケジュール管理」のサポート

本制度を利用する上で最も重要な、税務上の厳格なルールへの対応をサポートします。

・「株主総会等の決議日から1ヶ月を経過する日」または「事業年度開始の日から4ヶ月を経過する日」のいずれか早い日までに、確実な税務署への届出を行います。

・事前確定届出給与は「支給日が1日でもズレる」「金額が1円でも違う」と全額損金算入が認められません。この厳格なルールに基づき、届出通りの確実な支給が実行されるようスケジュール管理と連携を行います。

3.資金繰りリスクを見据えた「役員報酬の最適バランス」の策定

節税効果だけでなく、会社の財務状況に応じた安全な資金計画をご提案します。

そのため、毎月同額を支給する「定期同額給与」と併用しながら、万が一の事態でも無理なく支給できる安全な賞与額のバランスを財務面から立案します。

事前確定届出給与は、業績が想定外に悪化したり資金繰りが厳しくなったりした場合でも、原則として届出通りに支給しなければ損金にできません。

初回ご相談は60分無料です。

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投稿者プロフィール

監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
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