税理士に相談する内容は、税制や経理処理、会社設立手続き、資金繰りなど、会計を深く勉強した以外の人には専門的で分かりにくいことが多いですよね?
だからこそ、税理士の先生の専門性の高さや知見の深さだけではなく、こちらの状況や疑問をきちんと受け止め、難しい内容も分かりやすく、例え話や具体例で説明してくれる税理士を選びたいと考える方は多いのではないでしょうか。
顧問税理士の先生に対して、下記のように感じたことはありませんか?
- 「質問しても専門用語が多く、こちらが納得できるまで説明してもらえない」
- 「連絡をしても返信が遅く、急ぎで相談したいときに不安になる」
- 「税務申告だけでなく、資金繰りや今後の経営についても相談できる税理士を探したい」
- 「料金の内訳が分かりにくく、今の顧問料が自社に合っているのか判断できない(高いと感じている)」
- 「法人化の手続きから設立後の経理・税務まで、まとめて相談できる先生を見つけたい」
長くお付き合いしてきた相手だからこそ切り出しにくい、事業の節目で、どんな先生を選べばよいか迷ってしまう、そんな心境をお持ちの方も少なからずいらっしゃると思います。
この記事では、税理士を変えたい、あるいは新しく探したいと考えたときに知っておいていただきたいことを、順を追ってお話しします。

税理士は、事業の途中で変えても問題ありません
まず、知っておいてほしいことは、税理士は、事業の途中で変えても問題がないということです。
税理士の顧問契約は、あくまで対等な関係のため、現契約内容に反しないかぎり、別の税理士に年度途中で切り替えることは、経営者様の自由です。
「せっかく紹介してもらったのに」「長年お世話になっているので」と、ズルズル変更したいと思いながら契約更新を続けなくても良いと考えていますし、そこは双方ビジネスライクでOKです。本当に自らの事業に必要なパートナーとして頼れる相手を探すことに引け目を感じる必要はありません。
事業の状況や会社の規模感、継続年数や社会の状況を考えて、相談する相手も変わっていくのは自然なことです。
銀行や取引先とのお付き合いと同じように、税理士も今のあなたの状況に合った相手を選んで良いのです。
新しい税理士を探すのは、不満だけが理由ではありません
実際にご相談を受けていると、税理士を探すきっかけは、大きく二つに分かれます。ひとつは、今の税理士さんへのお悩み。もうひとつは、事業そのものの変化です。
まず、事業の変化がきっかけになる場合です。当事務所でもこのようなお声を聞くことがあります。
- 会社を設立し、建設業の許可を取ることになって、はじめて税理士を探し始めた
- 資金の借り換えや金利の引き下げで、金融機関との交渉についてアドバイスがほしくなった
- 医療の分野で、通常の会計だけでなく、保険診療の点数にも詳しい相手を探していた
- 歯科医師をしながら、医業ではない個人事業も始めたいという、少し特殊な事情をわかってくれる相手がほしくなった
- 会社員からフリーランスとして独立し、起業することになった
どれも、いまの税理士さんが悪いという話ではありません。
事業が新しい段階に入ったから、それに合った相手を探しているという、前向きなきっかけです。
もうひとつは、今のお付き合いの中で感じる、こんな小さな不満です。
- 決算書や申告書を作ってくれるだけで、経営に踏み込んだ提案がない
- 質問しても返事が遅く、聞きたいことをなかなか聞けない
- 専門用語ばかりで説明がわかりにくく、内容が腹落ちしない
- 顧問報酬が不明瞭で、あとから追加料金を請求されることがよくある
- 税務調査のときに、税務署の方を向いていて、自社の味方になってくれなかった感じがした
どれも、税金の知識そのものというより、コミュニケーションや仕事姿勢に関わるお悩みです。
実際、税理士の間で知識レベルに大きな差はありません。だからこそ、気軽に質問できるか、わかりやすく説明してくれるか、こちらの立場に立って提案してくれるか、こうした思いやりや気遣い、個人の相性の問題も満足度を大きく左右します。
もし思い当たる場面があるようでしたら、それは顧問税理士を見直すサインなのかもしれません。
【小林コメント】

変更を考えること自体に、罪悪感を持たれる方はとても多いのですが、考える軸はご自身の事業やご自身との相性です。
先日ご相談に来られた飲食店の経営者様も、「先代からのお付き合いで、言い出せなくて」と悩んでおられました。
会社を守り、育てるのは今の経営者様ご自身です。ご自身が納得して相談できる相手を選ぶことは、不義理にはならないと考えています。
まずは他の税理士の先生に話を聞いたり、情報収集をするなど、気持ちを整理するところから始めていけばよいのではないでしょうか。
変更に向いているタイミングがあります
税理士の変更は、いつでもできますが、進めやすい時期はあります。おすすめは、決算と申告がひととおり終わった直後です。法人であれば、法人税の申告書を提出したあとです。
その事業年度のお仕事が区切りを迎えているので、新しい税理士へのバトンタッチがスムーズになります。目安としては、決算申告のあと2〜3か月ほどが、いちばん動きやすい時期です。
反対に、避けたほうがよいのは、決算日の直前です。決算日のおおむね3か月前から申告までは、試算表の確認や納税額の見通し、節税の検討など、税理士の仕事が集中します。
この時期に切り替えると、税務対策が十分にできなかったり、必要な書類がそろわずに申告期日を過ぎてしまったりと、かえって経営者様の負担が増えてしまいます。
焦らず、余裕をもって進めていただくのが良いので、上記をご参考にしてください。例えば、もし税務調査を受けたばかりであれば、その対応が終わった直後も、ひとつの区切りとして変更しやすいタイミングだと思います。

【小林コメント】

以前、決算直前に「今すぐ変えたい」とご相談をいただいたことがあります。お話をお聞きし、お気持ちはよく理解できたのですが、無理に切り替えると、申告に間に合わない恐れもありました。
そこで、その年の申告は今の税理士に仕上げてもらい、提出が済んだタイミングで当事務所に引き継ぐ、という段取りをご提案させていただきました。
切迫した状況を抱えておられたり、税理士とのトラブルや不信感がMaxになったなど、ケースバイケースでの対応になるのですが、当事務所ではまずはお話をじっくりお聞きするところから始めることにしています。
変更の進め方の基本は4つの流れ
いざ変更するとなると、何から手をつければよいか迷われると思いますが、大きくは、次の流れで進めると安心です。
まず、先に次の税理士を決めておきます。いまの税理士に解約を伝えてから探し始めると、相談相手のいない谷間ができてしまいます。次の相手を決めてから動くのが安心です。
次に、今の顧問契約の内容を確認します。解約を何か月前までに伝える必要があるか、自動で更新される定めがないか、途中解約の違約金がないかを見ておきます。
そして、解約の意思は、「◯月末で」と具体的な日付を決めて、メールや書面など記録に残る形で伝えます。口頭だけだと、後で行き違いのもとになります。
最後に、引き継ぎに必要な資料を受け取ります。ここが経営者様にとって一番抜けやすいところなので、、詳しく後述します。
伝え方に迷われる方も多いのですが、変更の理由を細かく説明するよりも「事業の体制を見直すことになりまして」といった、あくまでも事業形態を踏まえた変更として、角の立たない言い方を行えば良いと考えています。
最重要項目は、円満に区切りをつけて、必要な資料を確実に受け取ることです。

税理士小林ノブヒロ事務所にご相談いただく場合
ご参考までに、実際に当事務所へご相談いただいたあと、どのように進めているかをご紹介します。
はじめに、気軽に面談を受けていただきます。前の税理士さんには聞きづらかったこと、不安に思っていること、知りたいことを、この場で遠慮なくお話しください。ここで気持ちを整理していただくだけでも、次の一歩が見えてきます。
面談のあとは、いまの経理体制、これからの課題、ご希望をふまえて、ご提案書をお作りします。たとえばスタイリストの方であれば、経費を計上しやすくするためのポイントをお伝えします。
お仕事柄、経費の幅が広く、税務署からはプライベートな支出と見られやすい面があります。そこで、私物との区分けの仕方や、税務署から指摘を受けそうな支出について、あらかじめご説明しておきます。その方のお仕事に合わせて、内容は一つひとつ変わります。
あわせて、業績予測表を使って、いま会社のお金がどれくらい使えるのかを見える化します。資金繰りがはっきり見えるだけで、経営の判断はぐっと楽になります。
お付き合いの初めには、これまでの税務や会計の状態もひととおり確認します。所得税や住民税、消費税の申告、年末調整や源泉徴収の納付、法定調書や償却資産の申告まで、抜けや誤りがないかを見ておきます。
そのうえで、お見積もりをお作りします。金額とサポートの内容にご納得いただけたら、契約書を交わす段取りへ進みます。
この間に、前の税理士さんとの契約内容もあらためて確認しておいてください。途中で解約できるのか、いつまでに伝える必要があるのかを、早めにはっきりさせておくと、その後がスムーズに進みます。
引き継ぎでつまずかないために、知っておきたいこと
意外に思われるかもしれませんが、前の税理士と新しい税理士が、直接やり取りして引き継ぐことは、まずないと思っておいてください。個人情報の扱いや、それぞれの事務所のやり方があるためです。
基本的には経営者様ご自身が、必要な資料を受け取って新しい税理士に渡す形になります。
前の税理士さんが協力的であれば、引き継ぎはスムーズに進みますが、もし、そうでなかったとしても、特に問題はありません。あまり気にされなくて大丈夫です。淡々と、必要な資料を受け取ることに気持ちを向けていただければと思います。

当事務所でお預かりしたい、主な資料は次のとおりです。
- 会社の定款
- 登記簿謄本(コピーでかまいません)
- 過去2期分の決算申告書
- 賃金台帳(年末調整の資料)
- 電子申告の利用者情報(国税のe-Taxなら利用者識別番号、地方税のeLTAXなら利用者IDなど)
電子申告の暗証番号などは、前の税理士さんに確認しないとわからないことがあります。手続きが立て込む前に、早めに聞いておいてください。
これらの資料は、あとで税務調査を受けたときにも必要になります。
当事務所でお預かりするのは直近の2期分ほどですが、お手元には少なくとも3期分、できれば5期から7期分ほど残しておくと安心です。
会計ソフトを使っている場合は、そのデータの扱いも確認しておいてください。クラウド会計であれば、新しい税理士に閲覧の権限を渡すだけで済むこともあり、この場合ですとぐっと手間が減ります。
ちなみに、前の税理士が入力した会計データそのものは、必ずしもそのまま渡してもらえるとはかぎりません。
決算書や申告書といった成果物はお渡しいただけるものですが、日々の入力データについては、事務所ごとに考え方が分かれます。新しい税理士に「何を、どの形で受け取ればよいか」を先に確認しておくと、「もらったデータが全く使えなかった」などの行き違いを防げます。
【小林コメント】

良い税理士かどうかを見分けたいとき、私がよくおすすめしている質問があります。
「役員報酬は、どうやって決めたらよいでしょうか」と聞いてみてください。
「前年と同じで問題ありません」「社長がお好きな金額で対応します」といったお返事でしたら少し注意が必要かもしれません。
役員報酬は、会社の利益とのバランス、ご家庭のご事情、そして税金と社会保険料まで含めた手取りを見て、はじめて適切な金額をご提案できるものです。
その会社をきちんと理解していないと、本来は答えられない質問なのです。

よくあるご質問
Q. 途中で解約すると、違約金を取られませんか。

契約書次第です。多くの顧問契約は、解約を数か月前までに伝えれば、違約金なく解約できます。まずは契約書のその部分を確認しましょう。もし違約金の定めがあっても、次の決算の後などの区切りに合わせれば、負担を抑えられます。
Q. 今の税理士に、変更を切り出しづらいのですが。

これは変更をお考えになるほぼすべての事業者様がお感じになることで、お気持ちはよくわかります。
理由を細かく説明する必要はありませんので、前述の通り、「会社の体制を見直すことになった」といった感じの伝え方で十分です。感情的なやり取りは避けて、必要な資料を確実に受け取ることに気持ちを向けていただくことをオススメいたします。
Q. 前の税理士が資料を返してくれないときは、どうすれば。

決算書や申告書といった成果物は、本来お渡しいただけるものです。それでも滞る場合は、必要な書類の一覧を示して、期日を決めてお願いするのが有効です。
それでも対応が難しい場合は、新しい税理士に相談して、何をどう受け取ればよいかを整理してもらい、連絡内容をまとめてもらうと良いと思います。
まとめ|税理士選びは、経営のパートナー選びです
税理士を変えることも、はじめて税理士を探すことも、後ろめたいことでも特別なことでもありません。事業の段階が変われば、相談する相手が変わっていくのは当然であり、当たり前のことなのです。
大切なのは、決算のあとなど動きやすい時期を選ぶこと、契約内容を確認すること、そして資料をきちんと受け取ること。この3つを押さえておけば、変更はそれほど難しくありません。
当事務所は、創業まもない会社や規模の小さな会社、フリーランスの方を中心に、税務を通じて経営のお手伝いをさせていただいております。難しい用語やややこしい手続きや資料準備の話が多い税法に関しても、できるだけやさしい言葉で分かりやすくお伝えすることを心がけています。
「今の税理士に、少しモヤモヤしている」あるいは「これから事業を始めるので、頼れる相手がほしい」などの気持ちを抱えておられる場合、当事務所があなたの税理士選びの選択肢の1つに入れていただけるようでしたら非常に嬉しいです。
初回のご相談は60分無料です。まずは世間話のつもりで、現状やお悩みをお聞かせください。貴社に合った進め方を一緒に考えさせていただきます。
投稿者プロフィール

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中小企業の経営者様の「一番身近で頼りになるパートナー」として、税務・会計を軸にしながら「お金に関する様々なお悩み」に幅広く寄り添うサービスを展開。
特に、経営者様が安心して本業に専念できる環境づくりと信頼関係の構築には定評がある。千代田区、文京区、神田地区を中心に地域に密着したサポートを提供している。
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