9月に入ると、私のところにも「そろそろ今年の着地はどうなりそうか、一度見ておきたい」というご相談が増えてきます。

年度が1月から12月の個人事業主の方も、3月決算・9月決算の会社も、ちょうど一年の真ん中あたりを過ぎるのがこの時期です。ここで一度立ち止まって数字を見ておくと、後半の動き方がずいぶん変わってきます。

今回は、決算のずっと前に行う「中間決算」という考え方についてお話しします。

初めからきちんとした決算を行わなければならないと構える必要はありません。まずは会社数字の概要だけでも掴むことで、中間決算の必要性や効果を理解していただくことが経営者様にとって大事なことだと考えています。

シンプルに、上半期の数字をいったん締めて、今年の着地点がどれくらいになるかを見込んでおく、というだけのことです。

なぜ「中間決算」をおすすめするのか

節税にしても設備投資にしても、打てる手の多くには「その年のうちに実行しておく」という時間の制約があります。

決算月の直前になってから慌てて動こうとすると、選べる選択肢はどうしても限られてしまいます。反対に、半期の時点で今年のおおよその着地が見えていれば、余裕をもって手を打つことが可能になります。

つまり中間決算は、それ自体が目的ではなく、後半の判断材料をそろえるための準備です。早めに現在地を知っておくことが、結果として無理のない経営判断にもつながります。

【小林コメント】

小林税理士

決算月の直前になってご相談に来られる方ほど、打てる手が少なくなっています。「もう少し早く分かっていれば、この投資を今年に間に合わせられたのに」というケースは少なくありません。

金額の大きいものをご紹介しますと、倒産防止共済(経営セーフティ共済)の駆け込み契約があります。これは年間最大240万円もの経費計上が前倒しでできますので、契約自体に数週間かかるので、早めに対応しておくことが望ましい対策です。

このように、半期の時点で一度見ておくだけで、ゆとりを持って後半の利益計画が立てられます。

上半期に確認したい3つの数字

中間決算といっても、最初から細かく突き詰める必要はありません。まずは大きく3つの数字を押さえるところから始めてみてください。

1つ目は、売上と利益の着地見込みです。上半期の実績をもとに、このペースでいくと今年はどのくらいの利益になりそうかをざっくり置いてみます。

2つ目は、手元資金の残高推移です。利益が出ていても、現金が薄ければ後半の打ち手は制約されます。

3つ目は、これから出ていく納税の予定です。予定納税や消費税など、後半にまとまった支払いが控えていないかを確認しておきます。

見込み利益から逆算する「年後半の打ち手」

今年の利益がおおよそ見えてくると、後半の打ち手を具体的に考えられるようになります。代表的なものとしては、必要な設備への投資、共済制度を使った備え、そして年末に向けた納税資金の確保などがあります。

ただし、ここで大切なのは手元資金とのバランスです。利益が出ているからといって節税のためだけに現金を使いすぎると、後半の運転資金が苦しくなってしまいます。「税金を減らすこと」と「資金を残すこと」は、いつもセットで考える必要があります。

共済について

共済を使った年後半の準備については、以下の『小規模企業共済と経営セーフティ共済の考え方』の記事をご覧ください。

年内にできる節税の準備|小規模企業共済と経営セーフティ共済の考え方

毎年12月が近づくと、「今年、何か節税でできることはありませんか」というご相談が一気に増えます。ただ、年末に慌てて動こうとすると、選べる手はどうしても限られてしまいます。今回ご紹介する共済制度も、前記事の中間決算のところ […]

【小林コメント】

小林税理士

以前、好調だからと年末近くにまとまった設備投資をされた方が、その直後に納税と仕入れの支払いが重なって資金繰りが一気に苦しくなった、ということがありました。

数字を早めに確認し、支払いの時期までリストアップしておけば防げた事態です。利益の額だけでなく、お金が出ていく順番を見るのが大事だと改めて感じた事例でした。

中間決算を「かんたんに」行う手順

中間決算はきちんとした数字を出して、本決算並みに行う必要はありません。

会計ソフトをお使いであれば、上半期の試算表を締めるところから始められます。

次に、その実績をもとに今年の着地見込みをざっくり置いてみます。

そして、見込み利益と手元資金を確認しながら、後半に打てる対策をざっくりとピックアップしていき、利益や資金の数字をエクセル上で入力し、計算していくのです。

この3ステップで十分に役に立ちます。決算情報の取り扱いには十分注意しなければなりませんが、ざっくりした数字でしたら生成AIを活用してシミュレーションを行うことなども良いと思います。

もちろん、より正確に見込みを立てたい、後半の打ち手を具体的に設計したい、様々な税法等に絡んだ対策も見ていきたいという場合は、弊所など税理士がお手伝いできる部分だと考えています。数字を一緒に見ながら、貴社に合った進め方を考えていきます。

遠隔地の方もZOOMを活用してご相談をお受けしておりますので、このページ下部の窓口からお気軽にご相談くださいませ。

よくあるご質問

Q. 中間決算は法人だけが行うものですか。

小林税理士

いいえ。個人事業主の方にも同じ考え方が役立ちます。むしろ、予定納税や消費税の支払いが後半に控えている個人事業主こそ、半期の時点で見込みを立てておく効果が大きい場面が多いです。

Q. 会計ソフトがあれば自分でもできますか。

小林税理士

上半期の試算表を締めて着地を見込むところまでは、ソフトをお使いであればご自身でも十分できます。そこから先の、見込みの精度を上げる調整や、後半の打ち手の設計は、専門家と一緒に見ると安心できると思います。

Q. 税理士に頼むと、中間決算で何をしてくれますか。

小林税理士

上半期の実績から着地見込みを一緒に整理し、資金繰りを踏まえたうえで、後半に打てる手を具体的にご提案します。数字を見ながら「今年はここまでできる」という現実的な線を一緒に引くのが、我々の役割だと考えています。

まとめ|半期の確認が、後半の余裕をつくります

中間決算は特別な作業ではありません。上半期の数字をいったん締めて、今年の着地を見込んでおく。それだけで、年後半の判断にずいぶん余裕が生まれます。決算直前に慌てるより、半期の今こそ一度、貴社の現在地を確認してみてください。

無料相談のご案内

上半期の数字の見方や、年後半の打ち手について、いつでもご相談ください。初回のご相談は60分無料です。数字を一緒に見ながら、御社に合った進め方を考えさせていただきます。

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投稿者プロフィール

監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
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