「売上が増えてきたけれど、今すぐ法人化すべきなのだろうか」「税金が安くなるという話を聞くが、社会保険料の負担が心配だ」など、事業が軌道に乗り始めた個人事業主にとって、法人化(法人成り)のタイミングは非常に悩ましい問題です。

インターネット上には「売上1,000万円が目安」といった情報が溢れていますが、事業の実態や将来のビジョンによって、最適なタイミングは一人ひとり異なります。

この記事では、法人化を検討する際に多くの経営者が必ず直面する5つの悩みと、後悔しない決断を下すための現実的な判断基準を詳しく解説します。

法人化すべき人/しなくていい人

法人化には、明確な損益分岐点や向き不向きが存在します。

まずは数字と事業環境の面から、今のあなたが法人化すべきかどうかを整理しましょう。

課税所得と消費税の壁

一般的に、法人化による節税メリットが出始めるのは、課税所得(利益から控除を引いた額)が800万円〜900万円を超えたあたりだと言われています。

個人事業主の所得税は累進課税であり、稼げば稼ぐほど税率が高くなります(最大45%+住民税10%)。

一方で、法人税は一定の税率(中小法人の場合、年800万円以下の部分は約15%)に抑えられています

そのため、利益が大きく出ている場合は法人化した方が手元に残るお金が増える可能性が高くなります。

また、法人設立から最大2年間は消費税の納税義務が免除される特例(条件あり)を活用するために、あえて課税売上が1,000万円を超えるタイミングで法人化するのも一つの戦略です。

事業拡大の意欲と社会的信用

数字以外の面では、「誰を相手に商売をしているか」が重要な判断基準となります。

  • 大手企業との取引が多く、法人口座や法人格が必須である
  • 従業員を雇用し、組織として拡大していきたい
  • 銀行融資を受けて、大きな設備投資を行いたい

これらに該当する場合は、たとえ節税メリットが少なくても法人化すべきです。

逆に、フリーランスとして一人で身軽に働き続けたい、取引先も個人が中心で法人格を求められない、という場合は、無理に法人化する必要はありません。

事務負担が増えるデメリットの方が大きくなる可能性があります。

節税以外の判断軸

法人化の議論は「どっちが税金が安いか」に終始しがちですが、実際には社会保険と信用という2つの大きな要素が、経営者の手取りと事業の成長スピードを左右します。

社会保険料の負担増と将来の保障

法人化を躊躇する最大の要因は、社会保険(厚生年金・健康保険)への強制加入です。

個人事業主時代は国民年金と国民健康保険で済んでいましたが、法人の役員になると、自分自身の社会保険料を会社と折半で支払うことになります。

これは目先のキャッシュフローを圧迫する要因となりますが、一方で将来の厚生年金受給額が増えたり、扶養家族の保険料負担がなくなったりするメリットもあります。

「コスト増」と捉えるか、「将来への投資」と捉えるかが判断の分かれ目です。

採用力と人材の定着

もし今後、優秀な人材を採用したいと考えているなら、法人化は必須条件に近くなります。

特に若い世代や、家族を持つ人材を採用する場合、社会保険が完備されていない個人事業所は敬遠される傾向にあります。

良い人材を確保し、長く働いてもらうための環境整備として、法人化は非常に強力な武器となります。

法人化後に後悔するパターン

「節税になるから」という理由だけで安易に法人化した結果、想定外のコストや手間に苦しみ、「個人事業主のままにしておけばよかった」と後悔するケースも少なくありません。

実際に後悔してしまうことが多い2つのパターンをご紹介します。

事務負担とランニングコストの増加

法人になると、個人事業主時代にはなかった事務作業や固定費が発生します。

個人事業主なら赤字であれば税金はゼロですが、法人は赤字であっても最低約7万円の住民税(均等割)を支払わなければなりません。

また、税務申告書(法人税申告書)の作成は非常に複雑で、自力で行うことはほぼ不可能です。

そのため、税理士への報酬がランニングコストとして固定化されることを計算に入れておく必要があります。

「会社のお金」と「自分のお金」の分離

最も多くの経営者が戸惑うのが、会社のお金を自由に引き出せなくなることです。

個人事業主であれば、事業用口座にあるお金を生活費に使っても問題ありませんでした。

しかし法人の場合、会社のお金はあくまで「法人のもの」であり、社長個人のお金とは明確に区分されます。

自分の給料(役員報酬)は期首に決めた額で固定されるため、「今月は儲かったからボーナスを出そう」といった柔軟な使い方はできなくなります。

税理士が早めに関与する意味

法人化を成功させるためには、設立「後」ではなく、設立「前」の検討段階から税理士を関与させることが極めて重要です。

2つの理由をご紹介します。

精密なシミュレーションによる損得判定ができる

「なんとなく売上が増えたから」で法人化するのではなく、具体的な数字に基づいたシミュレーションが必要です。

弊所では、お客様の現状の数字を基に、詳細なシミュレーションを行います。

「今はまだ早い」という結論になることもありますが、それも一つの重要な経営判断です。

客観的な数字で損得を可視化することで、迷いなく決断を下すことができます。

最適な「設計図」を描く

会社設立は、単に登記をするだけではありません。

設立時の設定が、その後の節税や資金繰りに大きく影響します。

例えば、決算期をどこに設定するかによって、消費税の免税期間を最大限に活用できるかが変わります。

また、役員報酬の設定ミスは、1年間の税負担を無駄に増やす原因となります。

これらは後から変更するのが難しいため、設立前に税理士と入念に打ち合わせを行い、最適な「設計図」を描くことが不可欠です。

法人化は、事業を次のステージへと進めるための大きな決断です。

だからこそ、独断やインターネットの情報だけで判断せず、専門家の知見を活用してください。

弊所は、会社設立・起業支援を得意としており、設立前のシミュレーションから登記後の税務サポートまで、一貫して対応可能です。

「まだ迷っている段階」でも構いません。

まずは一度、あなたの事業の現状と将来の夢を、世間話感覚でお聞かせください。

「自分の場合は法人化した方がいいの?」という素朴な疑問から、具体的なシミュレーションのご依頼まで、幅広く対応いたします。

初回ご相談は60分無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

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投稿者プロフィール

監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
監修者 小林暢浩(税理士小林ノブヒロ事務所 代表税理士)
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